− 思い出深い奥の池とのお別れ −
高松に来てから3年弱。
この奥の池に居を構え、毎日この奥の池を眺めてきた。
春の桜、そして新緑。
秋には紅葉。冬には小雪のちらつく。
市街地に隣接している場所とは思えない、自然豊かな場所だった。
何よりも、奥の池越しに見る、竜王山、大滝山そしてクレーター五座の
優しい姿は、私達夫婦の気持ちを和ませてくれた。
竜王山の向こうに少し頭を覗かせている矢筈山の姿は、遠く徳島の山々に想いをつなげてもくれた。
ここから、四国の里山に何度出発し帰ってきた事だろうか。
この山々の姿を何時も眺めていなければ、こんなにも沢山の山を歩きたいという気持ちは起きなかっただろう。
特に、7階の私の部屋のベランダから見る景色や、風の香りは最高だった。
この場所から阿讃の山々を眺めるのも最後となる。
引っ越しを前にして、少しばかりの散策を楽しんだ。
大手前高校の桜もやっと満開。
アオサギや、バンがいつものようにのんびりと遊んでいる。
大手前高校から、池の周りをいつものように散歩する。
この道端には、スミレを初めとして沢山の野草が目を楽しませてくれた。
池の端のお地蔵さんに、いつものように軽くお詣りして、土手に上がると峰山と我が家が望まれる。
鶴尾神社にお詣りする。
この神社は、1200年ほどの歴史のある菅原道真ゆかりの八幡さんだ。
奥の池の改修で、池の底になったので、300年ほど前にこの地に移されたとか。
見事な桜を見ながら境内のベンチで一休み。
地元の方が、境内や参道を綺麗に掃除されていた。
何時来ても心安まる場所だ。
今住んでいる部屋には帰ってこれないけど、この神社のベンチから、またこの景色を眺める事は出来る。
もうそろそろ引っ越しのトラックが来る。
奥の池便りも、ひとまず終える事にしたい。
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